前回の記事で、A.G.E の起動方法と、調べたいユニットの探し方、英語名の調べ方について説明した。
今回は、前回で取り上げた素弓を例として、攻撃力防御力の概念とダメージ計算について説明し、他のユニットを用いた事例を確認していく。
前回の内容が前提になっているので、いきなりこの記事から読み始めた人は前に戻って A.G.E の起動方法と探し方を確認してほしい。
ダメージ計算式
AoE2 におけるダメージ計算式は、基本的には単純極まりない「攻撃力 – 防御力 = ダメージ」であるのだが、いくつかの特徴やルールがある。
- 「攻撃力 (Attack)」と「防御力 (Armor)」は「タイプ (Type)」として複数の値が設定されており、個別クラス毎に計算を行った後に合算する
- 高低差や崖を挟んだ場合のボーナス(高い方が +25%)は「攻撃力」毎に適用
- 「防御力」が設定されていない項目については、「基本防御力 (Base Armor)」の値が適用される(基本的に 1000 なのでダメージが通らない)
- 最終的な合算結果が 0 以下の場合は 1 ダメージになる
とはいえ、ただ字面だけで説明しても難しいと思うので、いくつか例を上げて説明する。
例1: 射手で民兵を攻撃した場合
まず前述の素弓で民兵を攻撃したときのダメージを計算してみよう。
射手の攻撃力・防御力は下記である。
今回は簡単のため、攻撃力が 0 ではない 2 つの項目のみ考える(本当は防御力が負数の場合があるので省略してはいけない)。
- Type 27 (槍兵)として 3
- Type 3 (射撃攻撃)として 4
一方で、民兵の攻撃力・防御力は下記である。
今回は射手で民兵を攻撃する例なので、防御力の数値を確認する。
- Type 1(歩兵)として 0
- Type 4(近接攻撃)として 0
- Type 3(射撃攻撃)として 1
- Type 31(レイティスの攻撃)として 0
実際に計算を行う。
- 民兵には Type 27(槍兵)の防御力は設定されていないため、「基本防御力 (Base Armor)」の 1000 が適用され、 0 – 1000 = -1000 と負数なので 0 ダメージ
- 民兵の Type 3(射撃攻撃)の防御力は 1 であり、射手の Type 3(射撃攻撃)の攻撃力は 4 であるので、 4 – 1 = 3 ダメージ
- 上記 2 つのダメージを合算し、 3 + 0 = 3 ダメージとなる。
これは普段誰でも扱う通りの内容なので、難しいところは無いと思う。
例2: 暗黒斥候で牛を攻撃(いわゆる「羊切り」)した場合
牛を殴って羊切りとはこれ如何に…というジョークはさておき… 🙃
暗黒斥候の攻撃力・防御力は下記となる。
今回も簡単のため、攻撃力が 0 ではない項目のみを考える。念のため繰り返すが、相手の防御力が負数である可能性があるため、本当は 0 の項目を無視してはいけない。
- Type 25(聖職者)として 6
- Type 4(近接攻撃)として 3
一方で、牛の攻撃力・防御力は下記となる。
牛は攻撃を受ける側なので、防御力の項目を確認する。
- Type 4(近接攻撃)として 0
- Type 3(射撃攻撃)として 0
- Type 31(レイティスの攻撃)として 0
実際に計算を行う。
- 牛には Type 25(聖職者)の防御力は設定されていないため、「基本防御力 (Base Armor)」の 0 が適用され、 6 – 0 = 6 ダメージ
- 牛の Type 4(近接攻撃)の防御力は 0 であり、斥候の Type 4(近接攻撃)の攻撃力は 3 であるので、 3 – 0 = 3 ダメージ
- 上記 2 つのダメージを合算し、 6 + 3 = 9 ダメージとなる。
経験的に羊や牛の類にはボーナスダメージがすべて通るというのは、ある程度長くやっているプレイヤーには知られているが、論理的な根拠としては「羊や牛等の家畜や、オロナル等の一部動物は、基本防御力の値が 0 に設定されているから」ということになる。
ところでこの例、暗黒斥候で牛を切るには 2 発必要という話でもある。同じことをイーグルウォリアでやる場合は 1 発で済む。これの理由は練習問題とするので各自で調べてみよう(ヒントという程ではないけど、Eagle Scout と Eagle Warrior を取り違えないように)。
例3: 槍兵で装甲象を攻撃した場合
最後の例として、素槍で先日のインド DLC で追加された装甲象を攻撃した場合を考える。
槍兵の攻撃力・防御力は以下のようになる。
攻撃力がプルダウン内に収まっていないし、今回は攻撃力が 0 の項目がないので全列挙。
- Type 29(イーグルウォリア)として 1
- Type 21(標準的な建物)として 1
- Type 5(戦象)として 15
- Type 4(近接攻撃)として 3
- Type 8(騎馬)として 15
- Type 16(船と破壊工作人)として 9
- Type 30(らくだ)として 12
- Type 35(マムルーク)として 4
- Type 34(漁船)として 9
一方で装甲象の攻撃力・防御力は以下となる。
装甲象は攻撃を受ける側であるので、防御力の項目を確認する。
- Type 5(戦象)として 17
- Type 4(近接攻撃)として -2
- Type 8(騎馬)として 7
- Type 20(砲撃兵器)として 0
- Type 17(破城槌・遠投投石機・攻城塔)として 0
- Type 3(射撃攻撃)として 140
- Type 31(レイティスの攻撃)として 0
実際に計算を行う。
- 装甲象には Type 29(イーグルウォリア)に対する防御力は設定されていないため、「基本防御力 (Base Armor)」の 1000 が適用され、 1 – 1000 = -999 と負数なので 0 ダメージ
- 装甲象には Type 21(標準的な建物)に対する防御力は設定されていないため、「基本防御力 (Base Armor)」の 1000 が適用され、 1 – 1000 = -999 と負数なので 0 ダメージ
- 装甲象の Type 5(戦象)の防御力は 17 であり、槍兵の Type 5(射撃攻撃)の攻撃力は 15 であるので、 15 – 17 = -2 と負数なので 0 ダメージ
- 装甲象の Type 4(近接攻撃)の防御力は -2であり、槍兵の Type 4(近接攻撃)の攻撃力は 3 であるので、3 – (-2) = 5 ダメージ
- 装甲象の Type 8(騎馬)の防御力は 7 であり、槍兵の Type 8(騎馬)の攻撃力は 15 であるので、15 – 7 = 8 ダメージ
- 以降 4 つまとめて、装甲象には Type 16(船と破壊工作人)、Type 30(らくだ)、Type 35(マムルーク)、Type 34(漁船)に対する防御力は設定されておらず、「基本防御力 (Base Armor)」の 1000 が適用され、各々結果が負数になるため 0 ダメージ
ということで、槍兵で装甲象をつつくと 0 + 0 + 0 + 5 + 8 + (0 *4) = 13 ダメージとなる。
注意事項について
今回、攻撃力と防御力に焦点を絞って 3 例取り上げたものの、よくある勘違いや留意すべき点についてまとめる。
攻撃力・防御力は「ユニットクラス」や「ユニットタイプ」とは完全に無関係である
A.G.E を触りはじめた人が非常に勘違いしやすい点として、一番上に表示されるユニットタイプやクラスと攻撃力・防御力は全くの無関係である、ということ(攻撃力・防御力のリスト内は Type じゃなくて Class と書かれているので、本当間違えやすい…)。
攻撃力・防御力は、あくまでも攻撃力・防御力の項目に設定されたもののみが影響し、逆に言えば設定されていれば、ユニットの外見やユニットクラスに関わりなしに影響される。
例えば、見た目が騎馬に見えても Type 8(騎馬)の防御力が設定されていなければ、槍から追加のダメージを受けることは無いということ(というか、これは過去実際にあった)。
現状 DE では修正済みではあるが、ジャンヌキャンペーンの 1 番目に登場する「ベルトラン」には、Type 8(騎馬)の防御力が設定されておらず、見た目は騎士であるものの長槍や矛槍からダメージを受けないため普通に殴り勝ててしまっていた(槍兵はこの Type 8 の攻撃力が高い代わりに、Type 4(近接攻撃)が小さく攻撃間隔が長いユニットであるため)。
最初慣れないうちは丁寧にデータを確認し、このような錯誤を避けるようにしたい。
ところで、じゃあ「ユニットのクラス」や「タイプ」は何に使うんだ、と思われる方も居るかと思う。
ユニットクラスは、テクノロジー(鉄工所や学問所等、色々)の効果適用先を限定するために用いられる。これについては別途記事を作成する。
ユニットタイプは内部的にユニットを区分けし、検索したり設定項目を限定するために用いられている様子。こちらについては現状これ以外の利用用途が(筆者は)よく分かっていないので、もしご存知の方がいればご教示頂ければ幸いである。
実はこれ以外にも、ダメージに影響を与える要素はある(免責)
今までの説明何だったんだ、と怒る方も居るかもしれない…申し訳ない 🥺
一つは所謂「範囲攻撃 (Blast Attack)」で、これについてはここで説明すると記事が長くなりすぎる、という編集上の理由と、まずは攻撃力と防御力の計算の基本を説明するべき、と判断したため。
範囲攻撃については、別の属性についての説明も兼ねて改めて説明する予定である。
そしてもう一つは「地形防御ボーナス (Terrain Defense Bonus)」で、実は AoE2 では特定の地形の上にユニットがいる場合にダメージに割合で加減をつけることができるようになっている。…のだが、現状これが適用されるのは「ひび割れた砂漠 (Desert, Cracked)」の上にある建物のみである(ちなみに被ダメージ 20% 増加とそこそこ大きいボーナスではある)。
これ説明するより「ひび割れてるように見える砂漠にモノ建てるのはなるべく止めとこう」とした方が良いと思うし、それで十分だと思うので…。
このあたりの説明については、上級ぐらいの項目でいずれ説明…するかもしれない。
終わりに
こうやって長々説明したけれど正直な話、こんな細かい数字覚えるより、そのユニットは何に強くて何に弱く、何のために使うのか、というのを頭に入れてれば十分なんじゃないかと思う。
とはいえ、数字を知っていることで軍同士のにらみ合いで当てるか当てないかの判断が出来たり、今まで知らなかった案外このユニットは強い・弱いみたいな話が分かりやすくなって良いんじゃないかと思う(筆者的にも、装甲象が案外強くて驚いたり)。
今回は攻撃力防御力を取り上げたものの、直感的に見て分かる項目(HPとか移動速度とか攻撃間隔云々)は、ついでに確認しておくと、よりユニットについて深い理解が得られるはず。










